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蓼科高原は何処に行ってもカラマツ林ばかりである。キノコのシーズン、イグチ類チチタケ類が多かった。似た種類には、アメリカウラベニイロガワリ、オオウラベニイロガワリ、バライロウラベニイロガワリ、などがある。今回は柄基部の毛被により、本種とした。(標高約 1500m地点)
地元の信越テレビは長野県内のキノコのセシウムの量が基準値の約2倍出ているので野性のキノコは食べないように。栽培キノコならOKとの映像を何回も流していた。
      オオウラベニイロガワリ (イグチ科)
長野県茅野市
蓼科高原
2012年9月28日
標高1500位の広葉樹林帯に入ると彼方此方にでている、この地方の人は出汁が美味いといわれているこの種はあまり好まないのかも知れない。ただ地方により味が微妙に違うようでもあるが。
       チチタケ (ベニタケ科)
カラマツ林とハナイグチは付き物と言われる位に多い。人気種類の中の一つである。

     ハナイグチ (ヌメリイグチ科)
このキノコの情報は未だあまり耳にしない。これも人気食菌の一つである。整地した砂利の間から力強く出ていた。
     ハタケシメジ (シメジ科)
地上性ではなく、カラマツの腐朽樹から発生している。

      ホウキタケ属 sp. (ラッパタケ科)
尾根道を歩いていたら針葉樹の腐朽樹に接近して出ていたホウキタケ属のキノコ、後方はチャツムタケ。
      チャホウキタケ近似種 (ラッパタケ科)
今年5月に訪れたときには沢筋の途中に生えており、子のう胞子をつけていた。今回はそこよりも約150m下方の場所に生えておりケカビの分生子だけであった。
       タケハリカビ(接合菌類)(学名:スピネルス・フシガー)
見たことのないようなキノコ、外観はムジナタケの変種のようでもあるが、1日経過したら、色が朱褐色に変化。
      モエギタケ科 sp. ?(不明菌)
快晴の天気23度C、しかし夜は冷えて暖房を入れてやすむ。2日目は尾根歩き、(きつい)膝の鎮痛剤を飲み湿布をして登る。しかしキノコを見つけると痛みも飛んでしまう。下から見るとツノシメジに見えるが、つばの跡が見える、傘面は全く違う。(可食)
      ハナガサタケ(モエギタケ科)
神奈川キノコの会の平塚定例調査日、昼から室内で顕微鏡を使っての同定会場に都合により直接博物館に行く。同定の中で検鏡上特徴のあるタマムクエタケの説明が城川先生からあった。根元はしばしば長く延びて地中に入り柔らかい菌核を付ける。側シスチジアに特徴がありフラスコ形の先に3本の指状の突起がある。  タマムクエタケ ( モエギタケ科、旧オキナタケ科 ) 平塚市
南金目神社の森
2012年9月20
コゲチャワタカラカサタケ(ハラタケ科)、アミキアシグロタケ(タマチョレイタケ科)、ネッタイアシグロタケPolyporus hemicapnodes Berk. & Broome (タマチョレイタケ科)、など
この森の定例観察会、晴天乾燥続きで何処に行ってもキノコはなし、ここも駄目だろうと皆が感じ、「今日のキノコはこれが最初で最後であると」、最近急に元気になった大先生の一言。所が予言に反して今日は次々と出るわ出るわ、賑やかな一日になった。
      チャヌメリカラカサタケ( テングタケ科)
横浜市
新治市民の森
2012年9月16日
チャヌメリカラカサタケと違う点は大まかに言うと、柄に粘性がないところである。
      ヌメリカラカサタケ (テングタケ科)
通称カワセミの池近くの湿地帯道脇に従来から鎮座していた針葉樹の朽木。チャツムタケ属とはすぐに判り、噛んでみたが苦味はなし。KOHを襞面につけたが直ぐに灰色の混じった黒に変る。(従来は直ぐに黒変したが)何人かが持ち帰り検鏡、胞子は卵状楕円形4.6〜5.2×4〜4.5μm、種名は決まらなかった。肝心のシスチジアを欠いたが写真を城川先生にメール添付し教えを願った。正解は「ハグロチャツムタケ(青木仮称)旧コツブチャツムタケ」。先生からは水封(黒)→KOHで消える事を何回も教わったのに、今回は恥ずかしいやら、悲しいやら。先生有難うございました。
       ハグロチャツムタケ(青木仮称) チャツムタケ属(科名未確定)
この種は今日は何箇所かで多く見られた。傘、管孔、肉の傷口は触れると青変する。柄には条線がある。

      アイゾメクロイグチ (イグチ科)
傘径約2cm ヒメオニタケに似ているが、違う点は、チャヒメオニタケが縁シスチジアが先は槍形でしばしば細微な結晶をつける点、ヒメオニタケ→縁及び側シスチジアは共にない。チャヒメオニタケ→縁及び側シスチジアは共にある。今回は検鏡していないのでわからないが一応これにした。(新治初認)
       チャヒメオニタケ (カブラマツタケ科)
次の種と比較のために写したものであるが。(証拠写真)

       ツルタケ (テングタケ科)
池の近くに発生していた。傘は灰色で条線があり粉状。柄にツバはなく基部には小型の塊茎状に膨らむ。
       ヒメコナカブリツルタケ(テングタケ科)
漸く綺麗な姿のテングタケに出会った。傘径は約4cm、条線があり灰褐色でヒダはピンク色、柄は白色でツバは白色膜質、つぼは膜質袋状。
    
      タマゴテングタケモドキ (テングタケ科)
今までの端境期が突然と消えてしまったかの様な今日の状態。テングタケ類が一斉に顔をだす。なかなか皆が先に進まない。これも淡黄色の綺麗なキノコだ。
     ウスキテングタケ (テングタケ科)
仲間では通称イグチ通りと呼んでいた道である、整備工事のため斜面の土留め工事が行われ、数年キノコの発生は見られなかった。暫らくぶりで出てきた、少し足が細めだが間違いないようだ。
      ヤマドリタケモドキ (イギチ科)
イグチ類も多く見られた。馬糞横の森、湿っているためか、この他不明菌もみられた。
 
     ニセアシベニイグチ (イグチ科)
通称カワセミの池?の反対側の混合樹林、ここ数年いろいろなものが見られる。これはAクラスの食菌
パスタのソースに肉類と共にいれじっくり煮込むと良い。
      キッコウアワタケ (イグチ科)
柄の基部に球根状の膨らみがないのでこれで良いと思うが。

      オオキヌハダトマヤタケ (アセタケ科)
アカキツネガサの淡色タイプに似ているがつばの下部の燐片状のものが違う。NJ氏より胞子の写真が添付されてきた。くさびら28号のベージュワタカラカサタケに似ている。

      コゲチャワタカラカサタケ(ハラタケ科)
今年の夏は乾燥続きでキノコが見つからない。未だUPしていなかった中から接合菌類を選んで
載せてみた。(2012年5月長野県蓼科高原にて)
      タケハリカビ(接合菌類)(学名:スピネルス・フシガー)
備忘録
付録
ムクゲの落花に付くケカビを筑波大院のD先生に依頼されて探した。107本のムクゲの花を探して10個ばかり見つけた。ムクゲノ花に発生した虹色に輝く菌糸が綺麗に見える。 (2012年8月8日、茅ヶ崎市下寺尾)
       コウガイケカビ (接合菌類)
平塚キノコ調査でタブの木と思われる伐採された基の部分に数多く生えており、終了後頂いた物を、県博Kinvolの武氏が検鏡したものである。子嚢胞子は螺旋状に並ぶ隆起をもっている、大きさは5〜7×5〜5.5μm。子のうは消失している。下図は微分干渉顕微鏡X1000倍による。(9/11)
      マユハキタケ (マユハキタケ科)
神奈川キノコの会定例観察会、乾燥続きのためか大型菌は全くないような状態。探索を始めて間もなくミスUさんが見つけたもの。ウマノケタケに良く似ているが、柄の様子が違う、全般に微毛がルーペで見られる。
      ケアシホウライタケ→ケアシヒメタケ (石川新称)(ホウライタケ科)
横浜市
子供自然公園
2012年9月9日
傘は2cm〜3cm、山形からほぼ水平に開く、縁はやや波状、小じわがある中央部多少暗色、ヒダは中位に密、柄は4〜6cm下方に向かって暗栗褐色表面は粉状を帯び、根元には菌糸塊がある。探索初めて数分、何本か見られた。今日は判らないキノコが多い。
       トゲシロホウライタケ(青木仮称) (ホウライタケ科)
傘径約3cm、放射状の溝線がある。中心部は暗褐色で周囲に白地に暗褐色の燐片がみられる。白いものもある。ヒダは離生し柄のツバの名残りより上は白く、下は淡褐色を帯び中空。
(神奈川キノコの会会報第26号参照)
       ミイノヒガサタケ (ハラタケ科)
大池の近くに沢山群生していた。中には淡い薄緑色を帯びたものもあり、傘径約2cm位で表面に明瞭な放射状の溝線がある。小襞がほぼ交互にある、オオホウライタケをそのまま小さくしたような形をしており違うところはヒダが直生し柄と襞に接する部分に環状の微細燐片が存在する事があげられる。(神奈川キノコの会会報「くさびら第24号参照)
         コオオホウライタケ(城川仮称)(ホウライタケ科)
池の道端に沢山はえていた。殆どが単生でシロヤリタケであったが、そのはずれに、1本だけ違うものがあった。基部に毛の付いているところはムラサキサナギタケの白色タイプの様でもあるが、シロソウメンタケの枝分かれタイプと考えたが…。
         シロソウメンタケ (シロソウメンタケ科)
連日の晴天続きで県内は何処に行っても全くの不作?採集したキノコも小型のものばかり。(シートの左側はハラタケ類、右側は硬質菌)
         屋外勉強会 (横浜市子供自然公園)

オオチャワンタケに似ていたが、内外被の皺、縁の状況、環境、場所などの点から検鏡を行った。
結果、顕微鏡的特徴がオオチャワンタケと合致。(この種は何時もメルツアー反応が出にくく、何回か
KOHで処理し漸く+となった…次第。)
       オオチャワンタケ(チャワンタケ科)
静岡県
富士太郎坊
2012年9月2日
神奈川キノコの会の富士太郎坊キノコ観察会。20日以上続いた晴天も昨夜から大雨、それでもキノコ狂は30名近く集合。9時半頃までは車での雨宿り。中降りになり完全装備で近場に入る。昼前には雨が一時切れたが鑑定場所は水ヶ塚公園の東屋になる。(Uさんご一家の温かいキノコ汁、毎年有難うございます。)
      採集を終えての下山風景 11時30分頃
鑑定場所を水ヶ塚公園には昨年とほぼ同じ場所にみられた、雨が一時止んだので。カメラが使えた。中心は凹み深く根の根元まで通じるが雨で水があふれ下に吸収しきれず、重さで傾いた子実体と幼菌。
     ウスタケ ( ラッパタケ科、ウスタケ属)
今日は雨でカメラが使えなかったので、鑑定場所に並べられたものを借写した、傘にひびはなく柄は下部まで赤みを帯びている。
        ニセアシベニイグチ (イグチ科)
水ヶ塚公園を物色していた時に見つけたごく普通のキノコ、雨が切れたので地面にカメラを置き、写す

     コガネヤマドリ (イグチ科)
雨の中での撮影、雨にたたられ乾燥時と色が違う、嫌な臭いがする、襞は細かく、柄は下部につれて扁平に近くなり、柄の基部には白色の菌糸が見られる。
       
        クサカレハタケ(青木仮称)(ツキヨタケ科、(旧キシメジ科))
昔、ミズタマタケ(仮称)の見つかった近く、広葉樹の倒木の付近が青紫色になっている。この背着性のキノコにとっては今が繁殖の最盛期なのかもしれない。何年か前と同じ場所である。(9/1再掲)城川先生に検鏡頂いた結果子嚢胞子が確認された、先生有難うございました。(9/1 再掲)

     アイコウヤクタケ  アイイロイタコブタケ(城川仮称) Hypoxylon sp.
横浜市
新治市民の森
2012年8月5日