ペロネウテパ(シトネタケ科)
Peroneutypa (Xylariales Diatrypaceae)
2013年2月3日 横浜市新治市民の森
広葉樹の枯枝にまるで小さな海栗の棘状の様なものが多数発生していた(肉色のものはHypocrrea)。Valsaと良く似ているが長く伸びた子嚢殻の孔口が基質表面の孔口集合部より、更に嘴状に伸びているかどうか。Valsaは伸びないがPeroneutypaは長く伸びる点が違うようである。(下図:Dennis のBritish ascomycetes、日本菌類図鑑より)
※新治のメンバーから先に付着している肉色状の菌に関しての質問があり、筑波大院の出川先生に問合せたところ、同大修士課程の中島さんが調査をして下さった。
出川先生、中島さんありがとうございました。
※中島さんよりの報告の要旨:Peroneutypa類に寄生するHypocreaについての報告はみられない。
Dennis のBritish ascomycetesのPeroneutypa はその後一度シノニムに落とされ、2006年にCarmaran & Romero によって復活させられるまでEutypella 属とされていたようである。それでEutypella に寄生する菌を調べてみたところ、1984年のGlawe の論文がヒットした。
この論文では同定不確実のEutypella 属の子座の上に Bloxamia truncata という菌が発生されており、菌寄生菌の可能性もあるといわれている。※
Bloxamia truncata はビョウタケ属のアナモルフで、Bloxamia leucophthalma のシノニムとされているようですがそのページが載っている写真が見つかりました※。これを見ると、新治で見つかったものとは形も色もかなり異なるようです。大した情報ではないが何かの役に立てばと思います。Peroneutypa は現在の分類ではDiaporthaloes のValsa科ではなくXylariales のの Diatrype科(シトネタケ科)とされているようです。

http://www.jstor.org/discover/10.2307/3793232?uid=3765160&uid=3738328&uid=366687201&uid=2&uid=3&uid=67&uid=62&uid=3765128&uid=60&sid=21101770763087

http://www.discoverlife.org/mp/20q?search=Bloxamia+leucophthalma