ペロネウテパ (バルサ科) (シトネタケ科
Peroneutypa (バルサ科、ジアポルテ目) 
Xylariales Diatrypaceae
広葉樹の枯枝にまるで小さな海栗の棘状の様なものが多数発生していた。(肉色のものはHypocrea)。Valsaと良く似ているが長く伸びた子嚢殻の孔口が基質表面の孔口集合部分より、更に嘴状に伸びているかどうか。
Valsaは伸びないがPeroneutypa は長く伸びる点が違うようである。
新治メンバーから先に付いている肉色状の菌に関しての質問があり、筑波大院の出川先生に問合せを行ったところ、同修士課程の中島氏が詳細な調査をしてくれた。その調査資料を新しく添付します。
出川先生、中島さんありがとうございました
Peroneutypaの類に寄生するHypocreaについて調べてみたのですが、私が調べた限りでは報告は見つけることができませんでした。滝田さんがホームページに載せておられる文献は、おそらくDennisのBritish ascomycetesかと思われますが、Peroneutypaはその後一度シノニムに落とされ、2006年にCarmarán & Romeroによって復活させられるまでEutypella属とされていたようです。
そこで、Eutypellaに寄生する菌を調べてみたところ、1984年のGlaweの論文がヒットしました。この論文では、同定不確実のEutypella属の子座の上にBloxamia truncataという菌が発生した例が報告されており、菌寄生菌の可能性もあるとい
われています。
http://www.jstor.org/discover/10.2307/3793232?uid=3765160&uid=3738328&uid=366687201&uid=2&uid=3&uid=67&uid=62&uid=3765128&uid=60&sid=21101770763087


Bloxamia truncataはビョウタケ属のアナモルフで、Bloxamia leucophthalmaのシノニムとされているようですが、その写真が載っているページが見つかりました。これを見ると、新治で見つかったものとは形も色もかなり異なるようです。
http://www.discoverlife.org/mp/20q?search=Bloxamia+leucophthalma

大した情報ではなくすみませんが、何かの役に立てばと思います。なお、Peroneutypaは現在の分類では、DiaporthalesのValsa科ではなくXylarialesのDiatrype科(「シトネタケ科」)とされているようです。


(HPに載せた文献